「仕手研アーカイヴス」より チャートブック特集

 by 仕手株研究会HP さくらフェチ (2011年11月19日更新)


(1)噴き値売りについて

 【噴き値の例】 2007年1月5日(7270:富士重工)




株価は644円寄り付きから高値669円まで大商いで25円ほど噴き上げています。噴き値形成の後は地合いの悪さも手伝ってジワジワと下げ続けて631円まで下落しています。こういう状況下において「買いの目線」でこの銘柄を観ていた人たちが買っていれば全員負けていますが、噴き値を検知した665円以上で空売りをした人たちは当日決済でも平均で30円の値幅を空売りで抜けることになりました。


 【噴き値ではない例】 2007年1月9日(5411:JFE)





株価は5,740円で寄った後、6,010円まで2時間掛けて270円ほど上昇しています。こういうジリ高の動きでは噴き値とはならず空売りには向いていません。株価は後場も高値圏を維持したまま大引けを迎えていますので前場に空売りを仕掛けた人は全員踏まれたままとなっています。同じ株価上昇であっても空売りに適した騰がり方とそうでない騰がり方がありますので注意が必要となります。

 当然ですが騰がっている銘柄の中から噴き値での空売りを狙いますが、上記の理由により分足
 (日中足)を十分に吟味する必要があります。

 単位時間辺りの上昇率が重要であり、その場合の目安はVWAP(出来高加重平均株価)からの
 現値の乖離率が5%を超えた場合は空売り候補としてファンダや貸借倍率などの背景監視を開始
 して、規制等の問題が無ければ売り場探しに着手します。

 売らなければ参加者にもなれずに寂しいので上値が重たくなった頃に打診売りして様子を観ます。
 その後、天井打ちから下落の兆候が観えたら追撃売り(弱いものイヂメ売り)を開始します。

 その後はボロボロに崩れるのを待って「もっと下がれ〜!」「どうせ騰がりはせんわ!」と叫びながら
 買い戻します。その間、買い方さんは「もう底打ちだろう」「そろそろ騰がるはずだ」と祈る思いになり
 ますが、残念ながらさらに下がり続けて買い方さんの含み損が増え続けることは、これを読んでいる
 方々は経験済み?だと思います。(結局、最後は売り方さんが勝つのです)


(2)振り分け線

 振り分け線は同じ長さの連続陽線よりもさらに強い最強の日足チャートです。

 それほど強い理由は前日の陰線をすべて包み込んで前日の始値以上から立ち上がるために
 殆どの場合は買い気配スタートするからです。

 つまりそこまで気配値を上げて買い気配スタートするからにはそれなりの理由があるからこそ
 前日の下向きと、当日の上向きと、日足を上下に振り分けます。

 その理由は上方修正であったり手掛ける向きが意図的な仕掛けに入った場合などです。







 振り分け線は殆どの場合が買い気配スタートになりますから見つけるのは簡単です。

 前日の始値以上で寄り付きそうな場合(振り分け線の示現)は目をつぶって高値追い掛け買い
 にチャレンジしますが抜ける値幅(利益)にこだわらなければ、私の手元データによると勝率は
 9割5分超です。(マジです)

 また、振り分け線が示現する位置が安値圏の場合は反撃の序章になることが多く、その後数日
 に渡って持ちっ放しで含み益が膨らむことがありますので魅惑のチャートといえます。